カウンセリング VS 友人・家族への相談|わざわざお金を払って相談する価値はあるのか?
この記事のポイント(要約)
カウンセリングにお金を払う価値は「受容される体験」
友人・家族への相談でなされがちな「アドバイス」や「励まし」ではなく、否定も判断もされない「受容」を体験できる。
相談相手を使い分ける基準は?
「今すぐ現実的な支援を受けたい」ときは、友人・家族への相談、「自分の悩みを整理し受容してもらいたい」ときはカウンセリングが適している場合が多い。
どちらに相談してもうまくいかない原因は?
「悩みの階層」が深い場合。自分でも説明しづらく他人からも理解されにくい悩みのため、相談するほどむしろ孤独が深まることが多い。
「悩みの階層」が深いときの解決策
「悩みの階層」の深さが同じ人を見つけ「人に理解されない苦しさ」を共有することで心が救われ、新たな生き方が見出せる。
┃執筆・監修:生きづらさ専門カウンセラーしのぶかつのり
日本トランスパーソナル学会理事
セロトニントレーナー(有田秀穂・東邦大学名誉教授認定)
著書:『生きづらさから脱け出す実践法』(コスモス・ライブラリー)
【略歴】 幼少期の虐待、植物嫌悪症、重度のうつ病、精神障害者手帳の取得という絶望の淵から、脳生理学・心理学・環境設計を融合させた独自の回復メソッド「三理一体の法則」を体系化。東邦大学医学部名誉教授・有田秀穂博士の査読を受けた論文を上梓。自身の当事者経験にもとづいた「超・当事者目線」のカウンセリングを提供し、延べ8,000件以上の相談実績をもつ。現在は、脱世間起業塾「Adic」やオンラインサロンを主宰し、社会に適応できず苦しむ人々が「生きづらさをチカラに変える」ための支援をおこなっている。
誰かに相談したい。
でも、身近な人に言うのは少し怖い。友人や家族に相談すれば、心配されたり、励まされたり、ときには「そんなに深刻に考えなくてもいいよ」と言われるかもしれない。
一方で「やっぱりカウンセリングかな」と思っても、料金や相性の不安が頭をよぎる。
わざわざお金を払ってまで相談する意味があるのだろうか、と。
こうして多くの人が、友人・家族に相談するか、カウンセリングを受けるかその二択のあいだで迷っています。
実際、この二つはよく比較されますし、それぞれにメリットもデメリットもあります。
ただ、ここで一つ、あまり語られていない現実があります。
それは「どちらを選んでもうまくいかない人」がいるということです。
話してもスッキリしない。理解された感じがしない。むしろ相談したあと、前より孤独を感じてしまう・・・。
そこでこの記事では、カウンセリングを受けてきた当事者でもあり現役のカウンセラーでもある私の実体験を踏まえて、双方の視点から次の順番でわかりやすく解説していきます。
- 友人・家族への相談と、カウンセリングのメリット・デメリット
- それぞれが向いている悩み・向いていない悩み
- そのどちらもうまくいかない人の特徴
- その場合に有効な第3の解決策
もしあなたが、
「誰かに相談してきたはずなのに、なぜかずっと楽になれない」
そんな感覚を抱えているのなら。
この先の話は、あなたに新たな悩みの解決策をもたらすものになるでしょう。
1.まず結論:カウンセリングにお金を払う価値はどこにあるのか?
2.友人・家族に相談するメリット/デメリット
3.カウンセリングのメリット/デメリット
4.家族・友人、カウンセリングそれぞれに向いている悩み、向いていない悩み
5.どちらに相談するのも向いていない人、それは「悩みの階層」が深い人
6.「悩みの階層」が深い人にとってベストな相談相手とは?
7.「悩みの階層」の深さが同じ人に相談するときの注意点
8.「悩みの階層」が深い人に出会うにはどうしたらいい?
9 .よくある質問(FAQ)
10 .まとめ:相談するなら「悩みの階層」の深さが同じ人にしよう
誰かに相談したい。
でも、身近な人に言うのは少し怖い。友人や家族に相談すれば、心配されたり、励まされたり、ときには「そんなに深刻に考えなくてもいいよ」と言われるかもしれない。
一方で「やっぱりカウンセリングかな」と思っても、料金や相性の不安が頭をよぎる。
わざわざお金を払ってまで相談する意味があるのだろうか、と。
こうして多くの人が、友人・家族に相談するか、カウンセリングを受けるかその二択のあいだで迷っています。
実際、この二つはよく比較されますし、それぞれにメリットもデメリットもあります。
ただ・・・、
ここで一つ、あまり語られていない現実があります。
それは「どちらを選んでもうまくいかない人」がいるということです。
話してもスッキリしない。
理解された感じがしない。
むしろ相談したあと、前より孤独を感じてしまう。
そこでこの記事では、次の順番でわかりやすく解説していきます。
- 友人・家族への相談と、カウンセリングのメリット・デメリット
- それぞれが向いている悩み・向いていない悩み
- そのどちらでも行き詰まりやすい人の特徴
- その場合に有効な第3の解決策
もしあなたが、
「誰かに相談してきたはずなのに、なぜかずっと楽になれない」
そんな感覚を抱えているのなら。
この先の話は、あなたに新たな人生の希望をもたらすものになるでしょう。
1.まず結論:カウンセリングにお金を払う価値はどこにあるのか?
結論からお伝えします。
カウンセリングにお金を払う最大の価値は、アドバイスや励ましではなく「受容してもらえる」という点にあります。
友人や家族に相談したとき、私たちがよく経験するのは、
「こうしたらいいんじゃん」
という正論でのアドバイスや、
「大丈夫だよ」「気にしすぎだよ」
という励ましです。
それらは善意からの言葉ですし、とてもありがたいもので助けになることも多いですよね。
しかし、これらの言葉が、かえって苦しさを深めてしまうことがあるのも現実です。
なぜなら、深く悩んできた人ほどアドバイスを受けても、
「そのていどのことは、もうすでにやっている」
と感じますし、励まされても、
「やっぱりこんなことで悩む自分が悪いのだ」
と自分を責める気もちになってしまうからです。
だから、ぜんぜんわかってもらえた気もちになれない。
どちらかというと「今のままの自分ではダメなのだ」と否定されたような気もちになってしまうことが多いのです。
一方、カウンセリングの場では、原則として、すぐに解決策を示したり、無理に前向きにさせようとしたりはしません。
まず行われるのは、そのまま話を聴くこと。
判断せずに受け止めること。
「そう感じているあなた」を否定しないこと。
つまり「受容」です。
この「受容」は、頭で理解する以上に、じっさいに体験すると大きな意味をもちます。
私自身、カウンセリングを初めて受けたとき、この「受容」で心が大きくやわらいで楽になれたことを今でもハッキリ覚えています。
「こんなことを感じている自分はおかしいのではないか」
「こんな悩みを持つ自分はダメなのではないか」
そうした自己否定が、誰かに受容される体験によって、いったんおさまる。
カウンセラーの多くは、そのための訓練も受けています。
ここにこそ、カウンセリングにお金を払う、わかりやすい価値があると私は考えています。
ただ、訓練を受けているからといってすべてのカウンセラーが受容が得意というわけではありません。
また、カウンセラーというのは資格の名称ではなく、一般的な職業の名称なので、誰でも名乗ることができます。
そのため、カウンセラーと名乗っているすべての人が、訓練を受けた受容のスペシャリストとはかぎらないという実情があります。
それに当然、友人・家族に相談することに、まったく価値がないということはありえないですよね。
友人・家族に相談するからこそ解決することもたくさんあります。
つまり、カウンセラーへの相談、友人・家族への相談、そのどちらにもメリット・デメリットがあります。
そこで、カウンセラーに相談するのと、友人や家族に相談するのとでは、どのような違いがあるのか?
それぞれのメリット・デメリットに、ついて詳しく整理していきましょう。
まずは、友人・家族に相談するメリット/デメリットです。
2.友人・家族に相談するメリット/デメリット
多くの人にとって、「誰かに相談する」と聞いて最初に思い浮かぶのは、やはり身近な人ではないでしょうか。
実際、友人・家族への相談には、はっきりとしたメリットがあります。そして同時に、見落とされがちなデメリット(限界)も存在します。
┃友人・家族に相談するメリット
- お金がかからない・すぐ相談できる
- 現実的な支援が得られることがある
- 感情の受け止めが早い(相性が良ければ)
- あなたのことをよく知っている
- 「一緒に怒る・笑う」が効くケースもある
以上5つが、友人・家族に相談する主なメリットです。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.お金がかからない・すぐ話せる
思い立ったときに、電話やメッセージで気軽に話せる。これは非常に大きなメリットです。悩みが強いときほど、「今すぐ誰かに聞いてほしい」という切実さがあります。その点で、身近な人は頼りやすい存在です。
2.現実的な支援が得られることがある
友人や家族は、具体的な情報や人脈を持っていることがあります。仕事、住まい、お金、制度など、現実的な問題については、思わぬ助け舟を出してもらえるケースも少なくありません。
3.感情の受け止めが早い(相性が良ければ)
相性の良い相手であれば、言葉を尽くさなくても、感情をくみ取ってもらえることがあります。
「つらかったんだね」その一言に救われることもあるでしょう。
4.あなたのことをよく知っている
あなたの性格やこれまでの経緯、置かれている環境を知っているため、説明の手間が少なくて済むという利点もあります。
背景を一から説明しなくていいのは、精神的な負担を減らしてくれます。
5.「一緒に怒る・笑う」が効くケースも多い
ときには、理屈よりも「一緒に怒ってくれる」「一緒に笑ってくれる」その感情の共有自体が、大きな力になることもあります。これは、身近な関係だからこそ生まれる強みです。
以上が、友人・家族に相談する主なメリットです。
一方で、友人・家族への相談には、慎重に考えるべき側面もあります。
┃友人・家族に相談するデメリット
- 関係が変わる(後戻りしづらい)
- 相手の価値観でジャッジされやすい
- 正論・励まし・アドバイスが多く逆効果になることがある
- 相手に負担がかかり罪悪感が残る
- 秘密が保たれにくい
- 長期的に相談しつづけるのは難しい
以上6つが、友人・家族に相談する主なデメリットです。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.関係が変わる(後戻りしづらい)
一度深刻な悩みを打ち明けると、その後の関係性が変わってしまうことがあります。
「前と同じ距離感に戻れない」この感覚は、思っている以上に重くのしかかります。
2.相手の価値観でジャッジされやすい
身近な人ほど、無意識のうちに自分の価値観で判断しがちです。
「普通はこうするでしょ」「それは考えすぎじゃない?」
こうした言葉は、善意であっても、相談する側を深く傷つけてしまうことがあります。
3.正論・励まし・アドバイスが多く逆効果になることがある
友人・家族は、あなたを心配するがゆえに「何とかしてあげたい」と思います。
その結果、正論を言う、前向きにさせようとする、解決策を提示するという形になりやすい。
しかし、これらが「受け容れてもらえなかった」という感覚を生むことも少なくありません。
4.相手に負担がかかり、罪悪感が残る
何度も相談しているうちに、「こんな話ばかり聞かせて申し訳ない」という気持ちが生まれることがあります。
相談したはずなのに、今度は相手を気遣う側になってしまう。
この罪悪感は、悩みをさらに深くしてしまうことがあります。
5.秘密が保たれにくい
家族の場合、「善かれと思って」他の家族や親族に話されてしまうこともあります。
また、家族内の役割や力関係が、相談内容に影響を与えてしまうことも避けられません。
6.長期的に話し続けるのが難しい
最初は親身に聞いてくれていても、悩みが長期化すると、相手も次第に疲れてしまいます。
すると「まだその話?」「そろそろ前に進んだら?」といった空気が生まれ、相談しづらくなっていくのです。
ご覧いただいたとおり、友人・家族への相談は、決して悪いものではありません。
むしろ、真っ先に考えてもいいとても力強い選択肢です。
ただし、それがすべての悩みに万能かというと、そうではないのが現実です。
相談をきっかけに気もちの行き違いが生じれば、長年の信頼関係も崩れてしまいます。
親しい間柄だからこそ、相談に踏み出せないということもあります。
そこで次に、友人・家族とは違い、まったくの他人に相談するカウンセリングのメリット/デメリットを見ていきましょう。
3.カウンセリングのメリット/デメリット
次に、カウンセリングについて見ていきましょう。
友人・家族への相談と比べると、カウンセリングはどうしても「特別なもの」という印象がありますよね。
じっさいお金もかかりますし、敷居が高いのが事実でしょう。
一方で、友人・家族にはない、カウンセリングならではの強みもあります。
┃カウンセリングのメリット
- 「受容する訓練」を受けた相手に話せる
- 秘密を守ってもらえる
- 関係が壊れにくい
- 悩みを言語化できて感情の整理ができる
- 依存しにくい
- 長期間にわたって相談できる
- 悩みのパターンを発見できる
以上7つが、カウンセリングの主なメリットです。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.「受容する訓練」を受けた相手に話せる
カウンセリングでは、すぐにアドバイスをしたり、正論を押しつけたりすることは、原則として行われません。まずは、話を遮らず、否定せず、評価せず、そのまま受容することが重視されます。この「判断されない体験」は、日常ではなかなか得られないものです。
2.秘密を守ってもらえる
カウンセラーには、原則として守秘義務があります。相談した内容が、勝手に誰かに伝わることはありません。心おきなく話すために、この「安全に話せる」という前提は、想像以上に大きな意味をもちます。
3.関係が壊れにくい
友人や家族と違い、カウンセラーとの関係は、日常生活に持ち込まれません。また、相談したからといって、その後の人間関係に影響が出ることがありません。「関係が変わってしまう不安」を抱えずに話せる点は、大きなメリットです。
4.悩みを言語化できて感情の整理ができる
自分の悩みを、うまく言葉にできない人は少なくありません。カウンセリングでは、カウンセラーが問いかけや整理を通じて、感情を言語化する手助けをしてくれます。「何がつらかったのか」「どこで苦しくなったのか」それが少しずつ見えてくることで、混乱が落ち着くこともあります。
5.依存しにくい
時間、頻度、役割が明確に決まっているのと、依存が起きにくいのと、依存がおきた場合に適切に対処する訓練も受けているのが特徴です。また友人・家族にありがちな、どこまでも入り込んでしまう過干渉が起きることもありません。
6.長期間にわたって相談できる
悩みが長引いても、継続して話をすることができます。「まだその話?」と言われる心配がないのは、深い悩みを抱える人にとって大きな安心材料です。
7.悩みのパターンを発見できる
受容され、言葉にされ、整理してもらうことで、悩みのパターンを発見できます。それによって自分を客観視して同じ悩みにハマりにくくなります。カウンセリングが役に立つと感じる人の多くは、このプロセスによって救われています。
一方で、カウンセリングにも限界があります。
次にカウンセリングのデメリットも見ていきましょう。
┃カウンセリングのデメリット
- 費用と時間がかかる
- 相性が合わないと逆につらくなる
- 一般論で終わってしまうことがある
- 現実的な支援を受けにくい
- 変化のスピードが遅く感じることがある
- 「話すだけで終わる」ことがある
以上6つが、友人・家族に相談する主なデメリットです。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.費用と時間がかかる
継続的に通う場合、どうしても費用と時間の負担が生じます。これがハードルになり、利用をためらう人も少なくありません。
2.相性が合わないと逆につらくなる
カウンセリングは、カウンセラーとの相性が非常に重要です。相性が合わない場合、話しづらい、理解されていないと感じる、安心できないといったことが起こります。
3.一般論で終わってしまうことがある
カウンセラーによっては、理論や枠組みを優先しすぎて、個別性が薄れてしまうことがあります。その結果、さんざん悩んで独学してきた人にとっては、「どこかで聞いた話だな…」という印象が残る場合も多いです。
4.現実的な支援を受けにくい
カウンセリングは、感情や認知の整理には向いていますが、生活環境や働き方そのものを直接変えてくれるわけではありません。「話してはいるけれど、現実は何も変わらない」そう感じる人もいます。
5.変化のスピードが遅く感じることがある
じっくり向き合う分、即効性を求める人にとっては、物足りなさを感じることがあります。
6.「話すだけで終わる」ことがある
感情は軽くなったけれど、その先が見えない。このような「話すだけで終わる」という状態が続くと、「結局、何のために通っているのだろう」という疑問が生まれることもあります。
以上、6つがカウンセリングのデメリットです。
ご覧いただいたとおり、カウンセリングにはカウンセリングのよさとリスクがあります。
専門家による相談ならでは多くの体験が得られるものの、費用がかかり即効性のある現実的な支援は苦手という特徴があることがおわかりいただけたと思います。
では、じっさいにどんなときに家族・友人に相談することを優先し、どんなときにカウンセラーに相談した方がよさそうか?
その判断基準を、次の章でご紹介したいと思います。
4.家族・友人、カウンセリング、それぞれに向いている悩み、向いていない悩み
ここまで見ていただいたメリット・デメリットを見ると、友人・家族、カウンセラーのそれぞれに向いている悩みと向いていない悩みがあることがわかりますよね。
まとめると、次のようになると思います。
┃友人・家族に相談するのに向いている悩み
<今すぐ現実的な支援を受けたいとき>
たとえば、次のような悩みです。
1.お金・生活の維持に直結するトラブルが起きた
- ・急な失業や収入減で、当面の生活が不安
- ・家賃や公共料金の支払いが厳しい
- ・しばらく実家に身を寄せられないか相談したい
2.体調不良や病気で身のまわりのサポートが必要なとき
- ・病院への付き添い
- ・子供の送迎
- ・家事や買い物の手助け
3.引っ越し・転職など具体的な支援が必要なとき
- ・公的な書類申請を代わりにやってもらう
- ・転職先などの紹介
- ・引っ越しの手伝い
など 。
こうした悩みは、身近な人の手助けや知識が、そのまま役に立ちやすいでしょう。
そして、一緒に考えてくれる人がいる、具体的な選択肢を出してくれる人がいるというだけで、心が軽くなることもあります。
┃カウンセリングに向いている悩み
<自分の苦しみを理解し受容してもらいたいとき>
たとえば、次のような悩みです。
1.人間関係で苦しんでいるとき
- ・上司の圧力が強くて会社に行きたくない
- ・人と話すのが怖いと感じる
- ・どうしても人に嫌われてしまう
2.自分の性格や気質で困っているとき
- ・ミスや忘れ物が多く生活に支障がある
・自信がなくて行動できない
・他人の目が気になってしまう
3.人生が嫌になってしまったとき
- ・なにをしても虚しい
- ・失敗ばかりの人生で疲れ果ててしまった
- ・目標や目的が見出せない
など。
こうした悩みは、カウンセラーの受容的な態度や、悩みを言語化し整理する能力が役に立ちやすいでしょう。
そして、自分の苦しみをまともに受容してもらえたという経験だけで、悩みが一気に解決したという人も多くいます。
ただ、このように向き不向きがわかったとしても、友人・家族、そしてカウンセラーのどちらに相談しても、うまくいかない人がいます。
受容されている感じがしない、話しても噛み合わない、なぜか軽く扱われている気がする、そんな違和感を抱えつづける人がいるのです。
じつは私自身、その一人でした。
そこで次に、私の具体的な体験談を例にしながら、友人・家族、そしてカウンセラーのどちらに相談するのも向いていない人について解説していきます。
5.どちらに相談するのも向いていない人、それは「悩みの階層」が深い人(私の体験談)
カウンセリングに相談しても、友人・家族に相談してもうまくいかない人がいます。
それは「悩みの階層」が深い可能性が高いでしょう。
「悩みの階層」とは、その悩みがどれだけ他人に理解されにくく、本人にとっても言葉にしにくいかという「わかりにくさ」の階層のことです。
私自身が当事者として苦しんできた経験と、カウンセラーとしてご相談を受けつづけてきた経験から発見し条件を詳細に分類した階層です。
参考記事
「悩みの階層(前編)┃自分の悩みが伝わらない」
悩みの階層とは何かということと、その階層が深くなる条件についてさらに詳しく解説しています
浅い悩みは、他人から見ても「わかりやすい」。
しかし、深い悩みほど、他人から見ると「わかりにくい」。
それどころか、自分から見ても「わかりにくい」のです。
もしあなたに次のような感覚がある場合、「悩みの階層」が深い可能性があります。
- ・相談しても軽く扱われる
- ・一生懸命説明しても伝わらない
- ・自分でもなにが苦しいのかうまく説明できない
- ・「甘え」「気にしすぎ」と言われがち
- ・相談するほど孤独になる
いかがでしょう。
思い当たることがありましたでしょうか?
また、「悩みの階層」が深い悩みには、次のような例があります。
- ・親から暴力ではない強い圧力をかけられてきた
- ・人の感性と真逆の恐怖症や嫌悪症がある
- ・漠然とした不安に襲われて何も手につかない
- ・不登校が許されず無理やり学校に通っていた
- ・自分の存在を肯定できない
- ・自分の使命がわからない
など、一見すると、どこでどう悩んでいるのかが「わかりにくい」のです。
親から暴力ではない強い圧力をかけられてきたと相談しても、「それも愛情でしょう」とか「それは毒親ですね」と一言でまとめられる。
自分の存在を肯定できないと相談すれば、「生きたくても生きられない人もいるんだよ!」とか「あなたを必要としてくれる人がいます」と正論でまとめられてしまう。
自分の悩みが、まともに相手に伝わらないのです。
たとえば、私の「悩みの階層」が深い問題の一つに「植物嫌悪症」というものがあります。
植物を直視こともできなければ、植物柄の服を着たりソファーに座ったりすることもできません。
そのため子供の頃から、朝顔の観察や植物園での写生大会など地獄のような体験をくり返してきました。
今でも植物が多く置かれがちなレストラン、旅館などもそうかんたんには利用することができません。
テレビ番組やネット、映画の背景にも植物が多用されており、SNSも突然植物を紹介される方がいるので見ることはできません。
当然、余暇の時間の使い方はとてもかぎられてしまいます。
もっとも困るのが、病院は植物が多いため、思うように医療を使えず、入院すらもままならないことです。
以前、重度のうつ病で入院することになったときも、精神科の入院病棟が植物だらけだったため(ありがち)、入院を断念せざるをえなかったことがありました。
外科手術を受けるため入院したときにも、院内に植物がないか入念に確認してもらい、みずからもチェックしました。
しかし、植栽庭園の真横の病室をあてがわれる事態に。
病室の変更を申し出たのですが、
「まあ、これくらいは我慢していただかないと・・・」
と、こちらの悩みの切実さがまったく伝わらなかったのです。
「これくらい」を他人に決められてしまう絶望感。
窓一面、地獄の光景が広がるなか、カーテンを閉め切り、脂汗をかきながらひたすら耐え、一睡もできずに夜を明かしたことを覚えています。
幸い一泊の入院でしたが、今後、長期間入院せざるをえない事態になることを想像すると、やはり絶望しかありません。
しかし、これらの悩みは相談しても理解されることがありません。
親に相談しても、最終的には「甘えるな」と言われるだけ。
友人に話してもたいてい笑われるか、もの珍しそうに根ほり葉ほり面白そうに質問責めにされるだけです。
カウンセラーに相談した場合でもあまり変わらず、はじめから深刻に受け止めてもらったことはありません。
なぜなら「悩みの階層」がズレているからです。
親も友人もカウンセラーも、当然、悪気があってやっていることではありません。
私の悩みの階層が深く「わかりにくい」ため、悩みにまったく共感できないのです。
それどころか、悩みを悩みとして見ることすらできない。
面白い話を聴かされている気にすらなってしまうということです。
そこで、こちらも自分の悩みについてしっかり説明しようと思うのですが、それも思うようにならない。
自分でも「わかりにくい」ため、うまく言葉にできないのです。
これは、異星で必死に「助けて!!!」と叫んでいるのに、周囲の異星人たちがそれを笑って見ている状況に近いでしょう。
助けてもらう言葉も知らなければ、相手にその切実さが伝わることもない。
とてつもない絶望。
「悩みの階層」が深い人は、常にこのような絶望と闘いながら、どうにか日常生活を送っている人が少なくありません。
このような人は、友人・家族であっても、カウンセラーであっても、相談してもうまくいかないことが多いでしょう。
だからと言って「悩みの階層」が深い人が、誰にも相談しない方がいいわけではありません。
他者に相談することが、非常に重要であることはたしかです。
では「悩みの階層」が深い人は、いったい誰に相談すればいいのでしょうか?
これから次の章で詳しく解説いたします。
6.「悩みの階層」が深い人にとってベストな相談相手とは?
「悩みの階層が深い人にも、相談すれば楽になれる相手がちゃんといます。
それは「人に理解されない悩み」で苦しんだ経験がある人。
つまり「悩みの階層」の深さが同じ人です。
たとえば、私の植物嫌悪症の苦しさを理解してくれ、はじめて心の底から共感してくれたと思えた人は、魚の目の恐怖症をもっている人でした。
食事からテレビ番組から水族館というレジャーまで、その人も「人に理解されない悩み」で苦しんできた方でした。
だからこそ、臨場感をもって私の悩みの苦しさに理解を示して共感してくれた。
そのことに、どれだけ私が救われたかわかりません。
そうなのです。
その悩みの切実さが伝わるために、もっとも重要なのは「苦しさの臨場感」なのです。
この「苦しさの臨場感」が共有できないと、どれだけ精細に話してみても、決してこちらの悩みの切実さは伝わらないのです。
たとえば、「高速道路で渋滞にハマってるのに、オシッコしたくなっちゃってさぁ~」と言われれば。
たいていの人は「ええ~、それマジきついよね~。大丈夫だった?」と共感し、その苦しさに理解を示してくれます。
それは「オシッコを我慢する苦しさ」を、なんども経験しているから。
そのため「苦しさの臨場感」を豊かに感じることができるので、相手の話に共感し、心からその苦しさに理解を示すことができるのです。
しかし、この「苦しさの臨場感」がない話をされてしまうと・・・。
共感することができない。
それどころから、悩みだとすら理解できず、ふつうに笑ってしまったり、説教までしてしまうことがあるのです。
だから「悩みの階層」が深い人は、深さが同じ人に相談した方がいい。
そうしないと、相手はそれを悩みだとすら認識できない。
ただの笑い話や、甘えだととらえてしまうのです。
7.「悩みの階層」の深さが同じ人に相談するときの注意点
ここで重要な注意点があります。
「悩みの階層」の深さが同じだと思う人に相談しようとするとき、よく間違ってしまう点です。
それは・・・、
「悩みの階層」の深さが同じ人に相談するということは、必ずしも、まったく同じ悩みをもっている人に相談するということではない、ということです。
そこを間違えてしまうと、
「私と同じ悩みをもっている人なんていない・・・」
と途方に暮れてしまうことになります。
たとえば、先ほど私が出会った「魚の目の恐怖症」がある人。
この人は、決して私と同じ「植物嫌悪症」ではありませんでした。
しかし、私たちは共感し合うことができました。
いったいなぜでしょうか?
それは「人に理解してもらえない苦しさ」というメタレベルで共感し合えたということ。
悩みそのものはまったく違う。
しかし、その悩みを理解してもらえないことがいかに苦しいかという点で、痛みを共有できたのです。
だから、深く共感し合えた。
私も「話が通じた・・・」と救われたのです。
だから「悩みの階層」が深い人は、「人に理解されない苦しみを抱えて生きてきた人か」という点で相談相手を見極めるといいでしょう。
たとえあなたと同じ悩みをもっていなくても、より深い階層であなたと痛みを共有できるはずです。
8.「悩みの階層」が深い人に出会うにはどうしたらいい?
ここまでお読みいただいたあなたは、もしかするとこんな風に感じているかもしれません。
「人に理解されない苦しみを抱えて生きてきた人」なんて、そうかんたんに見つからない・・・と
たしかにそうですよね。
それほどの苦しみを抱えて生きている人は、あきらかにかなりの少数派でしょう。
もしいたとしても、あなたと同じように、相談したことで笑われたり傷ついたりしたため、表には出さずひっそりとその悩みを隠して生きているかもしれません。
だから、そうかんたんに「悩みの階層」が深い人に出会うことはできないですよね。
そこで私のメルマガでは、「悩みの階層」が深い人自身が語るじっさいの体験談を、週に1~2回ご紹介しています。
どれも、実在する「悩みの階層」が深い人たちの臨場感豊かな体験談です。
私自身の体験談もありますし、ご相談者様ご自身が語られる貴重な体験談もあります。
「悩みの階層」が深い人たちが、その苦しみをどのようなに解決しているのか?
それを知るだけでも「私だけじゃなかったんだ・・・」と孤独感が薄まり、勇気づけられるはずです。
無料で登録できますので、ぜひ一度読んでみてくださいね。
8.よくある質問(FAQ)
ここで「カウンセリングVS友人・家族への相談」で、よくいただくご質問に回答したいと思います。
Q1:カウンセリングにお金を払う価値は具体的になんですか?
A1: 最大の価値は、訓練された専門家による「受容」を体験できる点にあります。カウンセラーは、あなたの悩みをジャッジ(評価)したり、安易に励ましたりせず、まずはそのままのあなたを認めます。「こんなことを感じてもいいんだ」という安心感を得て、悩みのループを止めることが、カウンセリングにおける最も大きな価値といえます。
Q2:カウンセリングのデメリットはなんですか?
A2: 費用がかかりますし、カウンセラーとの相性が合わないというリスクもあります。アドバイスを受けても心理学に当てはめた一般論で終わってしまったり、問題解決まで時間がかかることが多く、話すだけで終わってしまったと感じられることもあります。
Q3:友人や家族に相談しても、スッキリしないのはなぜですか?
A3: それは、友人や家族があなたを大切に思うがゆえに「アドバイス」や「励まし」を優先してしまうことが多いからと考えられます。正論や励ましは時に「今の自分を否定された」と感じさせ、孤独感を深める原因になります。この記事で定義する「悩みの階層」が深い場合、善意の言葉でもすれ違いが生じやすくなります。
Q4:自分の悩みが「階層が深い」かどうかを知る目安はありますか?
A4: 以下の感覚がある場合は、悩みの階層が深い可能性があります。
・相談しても「気にしすぎだ」「甘えだ」と軽く扱われることが多い
・自分の苦しさを説明しようとしても、適切な言葉が見つからない
・周囲に相談すればするほど理解されない絶望感と孤独が強まる
さらに詳しい条件については下記の記事をご参照ください。
「悩みの階層 | 悩みがわかりにくくなる仕組み」
Q5:同じ悩みをもつ人が周りにいません。どうすれば「悩みの階層」の深さが同じ人」に出会えますか?
A5: 必ずしも「全く同じ悩み」で悩んでいる必要はありません。「人には理解されない苦しみを抱えてきた」というレベルで共感し合える人を探すのが近道です。当サイトのメルマガでは、そうした「悩みの階層」が深い人たちのリアルな体験談を配信しており、孤独を解消する一つのコミュニティとして機能しています。
Q6:カウンセリングと身近な人への相談、どちらを先にすべきですか?
A6: 「今すぐお金や生活の手助けが必要」といった現実的な問題であれば、友人・家族が適しているでしょう。一方で「自分の性格を直したい」「人間関係がどうしても苦しい」といった心の問題であれば、カウンセリングの方が適している場合が多いでしょう。ただし、どちらでも解決しない「悩みの階層」が深い問題の場合は、本記事で紹介している「第3の道(同じ階層の人とのつながり)」の検討をおすすめします。
まとめ.相談するなら「悩みの階層」の深さが同じ人にしよう
いかがでしたでしょうか。
「誰かに相談する」という行為は、本来、心が軽くなるためにするものですよね。
しかし、相談先を間違えてしまうと、かえって自分を責めたり、深い孤独の淵に沈んでしまったりすることもあります。
ですので最後に、この記事の大切なポイントを振り返ります。
・友人・家族への相談は、即効性のある現実的な支援に向いている場合が多い
・カウンセリングは、自分の悩みを整理し「受容される体験」を得るのに向いている場合が多い
・しかし、「悩みの階層」が深い問題は、そのどちらでも解消されないことが多い
・「悩みの階層」が深い問題をもつ人にとってのベストな相談相手は、「人に理解されない苦しさ」を臨場感をもって共有できる人
もしあなたが今、「誰にもこの苦しさは伝わらない」と絶望しているのなら、それはあなたがわがままだからでも、説明が下手だからでもありません。
ただ、相手と「悩みの階層」がズレていただけなのです。
「悩みの階層」がどのように決まるのか、その条件を詳しく知りたい方は、どうぞ下記の記事を読んでみてください。
参考記事
悩みの階層┃悩みがわかりにくくなる仕組み
なぜ悩みの階層が深くなるのかという仕組みと、階層が深くなっていく分岐点について具体的に解説しています。
あなたは一人ではありません。同じ階層で、同じように息を潜めて生きている仲間が必ずいます。
まずは、そんな仲間たちの「生の声」に触れることから始めてみませんか?
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり
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「悩みの階層」が深い、私の「植物嫌悪症」についてその苦しみの実態や対処法について書いています
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